③マザコン夫と意地悪な義母『お前は家政婦のようなもんだから』

マザコン夫と意地悪な義母

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②マザコン夫と意地悪な義母『お前は家政婦のようなもんだから』
\前回のストーリーはコチラ/ 由里「出来ました、召し上がってください」 今日の献立は焼き魚と吸い物と炊き込みご飯だ。 机に並べられた食事を見ると、義母の眉間にシワが寄る。 義母はこれ見よがしに大きくため息...

 

そして、夫も帰ってきて、晩御飯の時間。

例に漏れず、一人皿洗いをしていると、雅明が元気な声で言った。

息子「ママ、このハンバーグ美味しいよ」

「ありがとう」

雅明の言葉は素直に嬉しかったが、確かにその場の空気が凍ったのが分かった。

旦那「雅明、けどおばあちゃんのハンバーグの方が美味しんだよ?」

息子「そうなの?」

旦那「ああ。お母さんは料理が下手だけど、おばあちゃんは上手なんだ」

義母「そんなに煽ても何にも出ないわよ。まーくん、今度作ってあげるからね」

息子「ん…ありがと」

雅明は義母にふにゃんと笑みを見せると

息子「そうだ!ママに見せたいものがあるんだ!」

っと、席を立った。

息子「これ!」

 

 

ランドセルから紙を一枚取り出すと、私の足元に駆け寄ってきた。

私に見えるように掲げたチラシは、以前見た、あの花火大会のチラシだった。

息子「これね、ままと一緒に行きたい!」

「花火大会かあ、そうね」

賛同する言葉は、義母によって遮られた。

義母「まーくん、花火大会、お父さんとお婆ちゃんと行かないかい?」

息子「うん!ままとぱぱとお婆ちゃんと、お爺ちゃんとみんなで行く!」

旦那「んーお爺ちゃんとお母さんは行けないかな」

「え。」

 

 

息子「なんで…」

旦那「お爺ちゃんは体が不自由だし、お母さんはお爺ちゃんのお世話をしいといけないんだよ」

雅明は、悲しげに私を見つめる。

息子「そうなの…?」

「ごめんね…お婆ちゃんとお父さんと行ってきてくれる?」

息子「けど…ままとも行きたい」

しょぼんっと俯く雅明に、義母が側にきて優しく頭を撫でた。

 

 

義母「まーくん、お婆ちゃんが好きなもの買ってあげるから、一緒に行こう?」

息子「ん…お婆ちゃん、ままとも行きたい。僕、最近ままとお出かけしてないもん」

義母「ままは忙しいのよ。まーくんはお婆ちゃんと遊ぶの嫌い?」

息子「嫌いじゃないけど…まま…」

渋る雅明に、義母は、なんとかしろ、と私を睨む。

「雅明、ままの代わりに祭りに行ってきて?それでね、カステラ買ってきて欲しいな」

息子「一緒に行けないの?」

「うん。来年は、一緒に行けるように頑張るから」

息子「ん…わかった。カステラ、いっぱい買ってくる」

 

 

納得した雅明は、チラシを直しに行った。

そして義母は、ゆらりと立ち上がり、誰にも聞こえないように私の耳元で囁いた。

義母「来年、まーくんと一緒にいれるかは、あなたの活躍し偉大ですからね」

「はい…」

フンッと鼻を鳴らすと、義母もまた食事を始めたのだった。

 

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④マザコン夫と意地悪な義母『お前は家政婦のようなもんだから』
\前回の内容はコチラ!/ そして、迎えた花火大会当日。 私「よしっ、はっぴ似合ってるよ」 息子「かっこいい?」 私「うん、かっこいいかっっこいい!」 息子「えへへ」 嬉しそうに笑みうかべる雅明...
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