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第10部:虹
狼狽える私の手をそっと雅明が握った。
息子「ママ」
私「雅明…ありがと」
心が軽くなった気がした。
私「全て本当です。そして、離婚したいと申し立てると、弁護士を雇って親権を奪うと脅されました」
旦那「お前っ」
手を挙げようとする夫を周りの親戚が取り押さえた。
義父の姉「もう観念なさい…これからのことは、私を交えて話しましょう。もう引退したけど、弁護士だからね」
ニコリと義父の姉が私に笑みを見せた。
もう、終わったんだ…頬に一筋の涙が流れ落ちた。
遺言書の通り、義父の遺産は全て私の手に渡った。
また、智和さんとは離婚し、親権もこちらに渡った。
義母は涙を流しながら
義母「お願い、由里さん。なんでもするから、許してください。あの人の遺産をもらえなかったら、私、これから生活できないわ…」
どうやら義母は自身の年金をほとんど娯楽に使ってしまい、ほとんど貯金が残っていないらしい。
対する智和さんも、パチンコ代で小遣いはなくなり、貯金はほぼゼロ。
崖っぷちに立っているのだ。
私「本当に、なんでもしてくれるんですか?」
義母「ええ!」
私「じゃあ、お願いは一つだけです。雅明と私の前に、二度と顔を見せないでください」
こうして、義母と旦那とは、綺麗に縁を切れたのだった。
噂によると、貯金がない二人は、ボロアパートに引っ越した。
義母はブランド物のバッグなどを売り払い、今はアルバイト生活を送っている。
対する旦那(元)は、会社で様々な噂が飛び交い、居場所がなくなって退職。
義母と同じく、アルバイト生活を送っているらしい。
正直、私に対して好き放題やってきたのだから、当然の報いだろうと思っている。
そんなある日。
私と雅明は、義父の墓にやってきていた。
義父から頂いたお金は、義父の墓の建設代に使い、残りは雅明のために残すことにした。
そっと墓石に水をかける。
私「お爺ちゃん…本当にありがとうございました…。こっちで動けなかった分、そちらでは目一杯動いてくださいね」
息子「あ…ママ!虹!」
私「あら、ほんとだね!」
久しぶりに晴れて、虹も出て、もしかしたら、義父が天国で喜んでくれてるのかな…と一人思ったのだった。
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読んでいただき、ありがとうございます!
自分で書きながら涙ぐんでしまうこともちょいちょいありました。
嫁ちゃんが幸せになったストーリーでほんとによかった…
また新しいストーリーも書いていきますので、是非インスタの方、フォローよろしくお願いします
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