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第8部:シンデレラ
そして迎えたお通夜には、数十人の親戚が参列した。
義父の姉もいた。
義父の姉「こんにちは。由里さん」
この方は、義父とは正反対で、いつもニコニコしている気さくで優しい性格だ。
義父の姉「弟のお世話をしてくれて、ありがとうございました」
私「いえ…私は何もしていませんよ」
義父の姉「そんなことないわ。弟には、色々お話を聞いてるから」
ニヤリと笑みを浮かべた義父の姉は、ポンっと私の肩に手を置いた。
お通夜も終え、義母や旦那は、久しぶりに集まった親戚同士で、話に花を咲かせていた。
私は、茶菓子などを用意するのに大忙し。
息子は、テレビで放映されているシンデレラに夢中だった。
そんな時だ、息子が満面の笑みで義母に駆け寄った。
息子「お婆ちゃん!この人、お婆ちゃんに似てるよ!」
義母「ん?シンデレラかい?」
息子「シンデレラはまま!このシンデレラを虐めてるのが、お婆ちゃんとパパ!」
義母「え…?」
私「ま、雅明!?」
爆弾発言をする雅明に私は慌てて、駆け寄る。
息子「お婆ちゃんとパパ、いっつもままを虐めてるもん」
旦那「雅明、何言ってるんだ!」
息子「夏祭りもママを除け者にしたし、お家の家事も全部ままに任せてばかりじゃん。僕、ちゃんと見てるよ、二人がママのこと虐めてるの」
義母「ちょっとまーくん、お婆ちゃんそんな嘘言われたら泣いちゃうよ?」
息子「嘘じゃないもん。パパはママのこと叩いてたよ」
二人の顔がサーッと青ざめる。
息子「ち、違いますよ?これは何かの間違いです!なあ!」
旦那は騒然とする親戚たちに弁解し、私に同意を求めるが、私は混乱して何もいえなかった。
そんな中、義父の姉がそっと息子のそばに寄ってきて、ポンっと頭を撫でた。
義父の姉「ふふふ…雅明くんはかっこいいねえ。ママを守る勇者さんだ」
息子「うん。お爺ちゃんと約束したんだ。ママを守るって」
義父の姉は、そっと私に視線を移した。
義父の姉「由里さん、弟から、手紙とか、もらってない?」
私「え、もらってますけど…」
手紙をもらっていると言う事実に、旦那と義母は目を丸くする。
義父の姉「その手紙、今読んでみたらどう?」
あとがき
息子ちゃんーーー!!って叫びたくなるほど息子ちゃんの行動に拍手を送りたい!!
子供はしっかりと親の事を見ているというけれど、これって結構ほんとなんですよね。
何も分からないというのはウソ。実は子供なりにしっかりと大人の感情や異変に気付くもの。お母さんとなれば特に。
義母と夫は自業自得ですね!
次回、第8部「小さな相棒」
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