⑦マザコン夫と意地悪な義母『お前は家政婦のようなもんだから』

マザコン夫と意地悪な義母

第6部(前回)の内容はこちら

⑥マザコン夫と意地悪な義母『お前は家政婦のようなもんだから』
第5部(前回)の内容はこちら 第6部:義父からの手紙 私「それは、泣いてることに対して…です」 義父「私が謝れと言ったか?」 私「いえ…」 義父が上半身を起こしジッと私を見据える。 義父「千寿子には、...

 

第7部:離婚届

お通夜まで時間があり、私は一人、机の引き出しを見つめていた。

義父『これは、私が死んでから読みなさい』

義父が初めて私に託したもの…一体何が書かれているのだろうか…。

ペリッと封を切ると

 

義母「ちょっと」

義母が突然現れ、思わず肩が跳ねる。

「は、はい!」

義母「何やってるの」

「い、いえ…」

義母「お茶を淹れてよ。もう色々やって疲れたわ」

 

 

夫と義母にお茶を淹れ、二人はソファで寛ぎ始めた。

義母「はあ…和彦さんもかわいそうね…。もう少し発見が早かったらねえ」

義母は私に聞こえるように嫌味を並べる。

義母「だいたい、食事のバランスも悪かったんじゃない?」

「え…」

義母「病人の食事なのに、お肉が多いのよ。あれじゃ体も壊しちゃうわ」

「そんな、それなら早く言ってくだされば、私も改善しましたよ…」

義母「自分で気づかないのもどうかと思うけど?」

 

 

義母「和彦さんが早く亡くなったのは、あんたのせいよ」

「そんな!それはあんまりです!」

義父の世話は全て私に押し付けてきたのに、今になって文句の嵐。

流石の私も、堪忍袋の緒が切れ、義母に言い返そうと立ち上がると、夫が一枚の紙を突きつけた。

旦那「これかいて」

「離婚届…?」

旦那「何もすぐに離婚するわけじゃないけどな。いつでも離婚できるように書いといて」

突然の通告に、頭が追いつかない。

 

 

旦那「親父が死んで、もう、世話係もいらなくなったし、お前いらないんだわ」

義母「気に入らなくなったら、すぐにでも追い出すから」

「そんな!あんまりです!」

息子「まま…?」

私の大声に、隣室で寝ていた雅明が目を擦りながらやってきた。

義母「まーくん、よく寝れた?」

息子「ん…ねた」

言いたいことは山のようにあったが、雅明の前では何も言い返せなかった。

 

あとがき

実際、コッソリと預かった何かを開ける時って、なぜかそのタイミングで誰かが現れたりするんですよね…(笑)

何にせよ、旦那と義母の通告はひどすぎる。「世話係」とか義父にも失礼。いったい旦那ちゃんは何がそんなに気に入らなかったんだろう。

「私」ちゃんにはしっかりと幸せになってほしい。

次回、第8部「シンデレラ」

 

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