インスタで紹介した「あの保育園なら辞退したわよ?」
その第4話~第5話を公開しています!

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【第4話】あの保育園なら辞退したわよ?~義母と夫に倍返し~
このままじゃ娘を保育園に入れることもできないし、下手をすればお義母さんに育てられることになりかねない。
お義母さんに育てられたら、夫みたいな人間ができるんだろうと考えるとぞっとする。
ベビーサークルで仲良くなったママ友と保育園の相談をしていたけれど、少し急ぐ必要がありそうだ。
友「なかなか空きがないんだよね、保育園」
私「やっぱそうなんだ…」
二人で情報を交換しながら保育園探しに勤しんでいるけれど、やっぱりなかなか決まらないというのはママ友も同じ状況のようだった。
お互い姑同士が知り合いというか、ライバルというか、まあ、決して友達ではないようなのだけれど、私たちは気が合ってよく子連れで会っている。
友「夫は早く仕事しろって言うんだけどさ」
うちとは正反対で、ママ友は旦那さんに仕事をしろとせっつかれている。
ママ友も好きで専業主婦をしているわけではない。
バリバリに働いていた経験を生かしてすぐにでも仕事復帰をしたいけれど、保育園が見つからないだけ。
養ってもらって楽でいいよな、と嫌味ばかりの旦那さんの鼻を明かすんだとやる気に燃えている。
友「昔は、家事をして家を守って、子供を育てるっていうのが女の仕事なんて言われてたらしいけど」
友「子供が手を離れたらどうなっちゃうんだろって考えると怖くなかったのかな」
確かに、と頷いているとママ友が笑った。
友「でも典子さんのお姑さんは、まだ子供を手放してないよね(笑)」
姑同士知り合いなだけあってよくお互いの姑の愚痴を言い合っている。
こういう愚痴を言い合える友達がいなければやっていられない。
私「確かにね(笑)」
私「なんかあればすぐにお母さんがお母さんがって言うんだもの」
今朝の出来事をママ友に話すと、怖っと言いながらオーバーリアクションで寒気がしたと表現した。
友「うちのお姑さんに典子さんのお姑さんが自慢してたんだけどさ」
友「うちは息子の稼ぎだけで家族を養っているんですよぉ?って」
私「ああ、そういうことね」
妻を働かせずに一人の収入で家族を養っている立派な息子と言いたいんだろう。
もちろん家計が火の車になりかけているとはお義母さんには伝えていないからだろうけれど。
友「それにね」
友「今年の年賀状見た?」
お義母さんからママ友の姑に送られた年賀状の写真を撮ってきたのと見せてくれた。
その年賀状には、「大きくなりました」の文字とにっこりと笑って立っている夫の写真。
今度は私が、怖っ!と叫んでオーバーリアクションで寒気を表現した。
【第5話・先読み】あの保育園なら辞退したわよ?~義母と夫に倍返し~
いつ撮ったのかもしれないあの年賀状の写真に寒気を覚え、夫が帰ってきてもなんだか気持ち悪さを感じた。
夫「あー疲れた」
私(こっちは精神的に疲れたわよ…)
最近どんどんと帰ってくる時間が早くなっていることに不安を感じる。
残業もなくなっているんだ…
やっぱりこの先を考えると…
まだ夕食が出来上がっていないキッチンを覗き込んでため息をつく夫が頭にくる。
夫「こっちは働いて帰ってきてんのにさ」
夫「夕食すらすぐに食べれないってどういうことなのかね」
私「いつもより早いから」
夫「なんだよ、一家の大黒柱が早く帰ってきたことを喜びこそすれ」
夫「夕食ができていないことの言い訳にされる覚えはないんだけど」
私(ずいぶんと細い大黒柱だこと)
文句を言いながら冷蔵庫を開けて、舌打ちをしながら発泡酒を取り出している。
これだけ文句を言うのなら私が働けばあなたもビールを飲めるし解決でしょと言いたくなる。
夫「母さんはさ」
また母さん、だ。
私がうんざりしていることなど気にも留めずに話を続けている。
夫「いつもパーフェクトに家のことやってたんだよな」
夫「自分の評価が欲しいからって働きたいなんて言ったことは一度もないよ」
私「自分の評価が欲しいから?」
夫「そうなんだろ?」
夫「自分の時間が欲しい、仕事をして褒められたい、そういうことだろ」
ビールから発泡酒になった時にも、自分の給料が下がったタイミングだったからはっきりと理由がわかって文句も言わなかったくせに。
どういう言い草なんだ、この男は。
私「働きたいのが悪いことなの?」
夫「お前が働いたら母さんががっかりするだろっつってんの」
夫「俺の収入だけで家族を養っていけるっていうのが母さんの自慢なんだから」
夫「母さんだって父さんの収入だけで家計をやりくりしてきたんだぞ?」
夫「なんで母さんにできてお前にできねぇんだよ」
根本的なことがわかってない。
お義父さんは高給取りで、あんたは薄給だろ。
近づいてくる娘にリモコンを渡し、テレビでも見てろと言う夫にものすごく嫌な感情が湧いた。
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