インスタで紹介した「あの保育園なら辞退したわよ?」
その第1話~第2話を公開しています!

毎日更新していきます!
【第1話】あの保育園なら辞退したわよ?~義母と夫に倍返し~
私は典子、33歳の主婦。
3歳の娘と夫と3人暮らし。
妊娠中はつわりがあまりにも酷く入院を頻繁にするようになり、
長く勤めていた会社だったけれどこれだけ迷惑をかけておいてさらに1年の育休をお願いしますなんて到底言えなくて退職。
元々夫は私に専業主婦になることを希望していた。
だから仕事を辞めることには反対どころか大喜び。
おかげで私も妊娠期間を安静に過ごすことができたし、出産後の育児にも専念ができた。
でも、「任せとけ!」と言っていた夫の給料は上がるどころか下がっている。
このままではこれから先が不安…。
私「そろそろ私も働こうかと思うの」
風呂上がりの夫にビールを渡しながら話を切り出した。
夫「仕事するってこと?」
男は外で働き、女は家を守るべき。
それが夫の価値観。
あからさまに不機嫌な顔になった夫は、わざとらしく深いため息をついた。
夫「ってことは俺の給料に不満があるってことだよね?」
ビールと言って夫に渡しているけれど、それが去年あたりから発泡酒に変わっていることを夫は不満に思っているのは知ってる。
だけど、私の収入もなくなって、夫の収入も下がってきている以上節約できるところは切り詰めていかないといけない。
夫「それさ」
夫「母さんになんて説明するつもりなの?」
私(出た…またお義母さんか…)
夫は何につけすぐに、母さんが、母さんはと言い始める。
私とお義母さんを比較するのはもちろんのこと、お義母さんの意見が一番だと思っている。
私「将来のことも考えてお金を貯めていかないと」
夫「お前はすぐに金、金っていうけどさ」
夫「金より大事なものってあんじゃねぇの?」
こうやってすぐに問題をすり替えるのが夫の悪い癖。
何よりもお金が大事だなんて言っていないのに揚げ足を取って、「論破しました!」みたいな顔して鼻息荒くしている。
私「でも保育園も探し始めてるから」
夫「はぁ!?」
夫「お前さ、言ってること矛盾してんの気が付いてる?」
私「矛盾?」
夫「お前は金が欲しくて働くんだろ?」
夫「それが保育園に入れて保育園料を払うなんてさ」
夫「会社に来てるパートのおばさんたちも言ってるよ?」
私「なんて?」
夫「保育園代が高くて、パート代とトントンだって」
夫「女が子供を保育園に預けてまで働くことに意味がねぇんだって」
おばさんたちの古い情報でドヤ顔している夫に教えてあげるしかない…。
幼保無償化で3歳から5歳までのクラスは支援制度の対象となっている幼稚園や保育園なら利用料は無料になる。
だからこそ娘が3歳になる今が保育園を探すタイミングなんだと。
夫「そんな知らない人だらけのところに預けるの、可愛そうだと思わないわけ?」
夫「母さんが近くにいるんだから頼めばいいだろ?」
信頼できる母さんに頼めば万事解決できると思っているんだろう。
私(どこが信頼できるのよ…)
スマホをいじって恐らくは早速お義母さんに相談のLINEをし始めている夫の横顔に、もやもやとする不満を感じた。
【第2話・先読み】あの保育園なら辞退したわよ?~義母と夫に倍返し~
姑「孫ちゃーん、お待たせぇ!」
お義母さんの高すぎる声が聞こえて時計を見るとまだ朝の6時。
前に夫が勝手に「何かあった時のために」なんて私に無断で合鍵を渡してしまったものだから油断ができない。
気が付くと夫婦の寝室を勝手に開けて、私と夫のベットの横にある娘のベッドの掛け布団をめくっていた。
私「ちょ…お義母さん…!」
誕生日に私がプレゼントした目覚ましで7時に起きるのを毎朝の習慣にしているのに。
姑「孫ちゃん?ばあちゃんよ?おはよ」
3歳児ながら迷惑そうな顔をして目をこすっている。
そんなことを意に介さず、お義母さんは娘を抱き上げた。
私「お義母さん、まだ娘は寝ているんですから…」
姑「何言ってるの」
姑「典子さん、もう6時よ?普通の主婦はもう起きて朝ごはんの支度も終わらせている時間なの」
姑「母親のあなたがそんなだらしないことだと孫ちゃんまであなたみたいになったらどうするの」
勝手に鍵を開けて入ってくるような人に言われたくない。
私(ちょっと、どうにかしてよ、あんたの親…)
私が夫をゆすり起こすと、ふわぁなんてだらしない声を出して夫が起き上がった。
夫「あ、母さん」
夫「さすがだね、もう来てくれたの?」
私(なにがさすがよ…)
いつもはギリギリの時間にならなければ起きてこない夫は、にこやかに起き上がった。
姑「大事な息子からのヘルプだものね」
もう35歳になる息子にウインクする母親などいるだろうか…
夫「サンキュ」
しかもウインクをし返す夫…
朝から気持ち悪いものを見せてくれる…
もう一人で着替えができると言っているのにお義母さんはいそいそと娘を見覚えのない服に着替えさせ始めた。
また買ってきたんだ…
生まれてくる子が女の子とわかったときには、いろんな洋服を着せたい願望に駆られて、安くてかわいい服をチョイスするのが楽しみになっていた。
だけど「子供は親の着せ替え人形じゃないのよ」と私に言ったくせに、自分はどの時代だとしても受け入れられないようなセンスの洋服を好んで買ってくる。
姑「さーさ、ばあちゃんが美味しい朝ごはん作ってあげるわよぉ」
夫「お!?母さんの朝ごはんかぁ」
夫「楽しみだ!」
まるでお義母さんと夫と娘が3人家族のように寝室を出ていった。