2019年7月11日の週刊ヤングジャンプ2019年32号のキングダム第607話のネタバレや感想、考察について記載していきます。
今回のストーリーでは王翦が展開した戦術や李牧との対話について読み解きます!
今回の話ではネタバレを含むので、ネタバレが苦手な方は『戻る』ボタンにてお戻りください。
キングダム607話ネタバレあらすじ
李牧軍の戦術を見抜き、逆に”起こり”を逆手に取った反撃で王翦軍が善戦する….!
王翦の読み
王翦の出陣によって戦局は一転して王翦軍に傾きかけている
『雷伯様、郭隊が応援を!』
『仙隊も同じく苦戦!』
『将軍!虎亜様討ち死に!』
『虎金様もです!』
ー一転して配線ばかりが雷伯のところに届く。その原因は明らかだった。王翦軍の『起こり』を見つけられず、これまでの仕掛けができなくなり、逆に戦術戦に切り替えると返し技で敗れ続ける…
雷伯にとって、この流れは李牧との読みには無かった流れである。
『李牧様を超えるということはあり得ぬが奴も近い景色を見ているというのか…..おのれ、王翦!』
『龍太中隊が敵中隊を撃破!中央を破りました!』
『第三隊から七隊も次々と敵を破り押し込んでいます、このままいけば敵の半分近くを討てそうです!』
『・・・・・・』
王翦は一時の沈黙を介した後、命令を出した。
『今すぐ乱戦を解け』
『ハ!このまま一気に奴らを…え!?』
『左へ転進する。我らが行けば奴らも追ってくる』
『田里弥軍の方へですが!?』
『面倒だ、まとめて一気に決着をつける』
それは、敵も友軍も李牧でさえも予想しない展開であった。
雷伯軍と戦っていた王翦軍が共伯軍と戦っていた田里弥軍に強引に合流したのだ
— にじろう@受験勉強ガチ勢 (@nijirou123) 2019年7月11日
これは場の人間の思考が一瞬停止するほどの大奇襲であった。
ここで、一番最初に反応したのは王翦軍の倉央。
『ハハ、面白い!今すぐ後方待機してる俺の本軍をここに呼べっ』
倉央は独断で自分の軍までこの混戦の中に呼び込み更なる混沌を生んだ
『フッ』
王翦は静かに笑った。
趙軍は混乱していた。
『傅抵、どうなってんだこれは!これじゃもう陣形とか戦術とか…』
『しっ知るかよ俺がっ』
趙軍の誰もが王翦の一手を無謀な博打と考えていた。
『かき乱しすぎだ、焦って知略戦を捨てたか王翦。知略を捨てるなら、それはただの博打だぞ』
ただ、李牧を除いてはー…
『いや、王翦は博打には出ない。王翦お前は、、、』
そう、この混沌は王翦にとって混沌でも博打でもないのだ。
『第三・第四隊方陣を作り右方移動!第六・第八隊を一つに繋げて前の壁に!龍太の中隊は左方の盾の中心に入れ!』
王翦より自らの指令に、部下も咄嗟に呼応する。
『田里弥様!王翦様より伝令!”鶴”の中央を作れと!』
『倉央様、王翦様から”鶴”の左翼を作れと』
『よし来た、糸凌を戻せ!動くぞ!』
王翦軍はこの混戦の中布陣を作ろうとしていたのだ。
しかし、まだ趙軍はその事態に気づいていない。
『何だ…何をしている王翦は….』
李牧は気づいていた。この大混戦の中で戦いながら陣を作り上げていっていることに。
しかし、現場の中に会ってそれは決して易いことではないはず。
— にじろう@受験勉強ガチ勢 (@nijirou123) 2019年7月11日
王翦が作り上げたのは『赤大鶴の陣』
趙軍が気づいたのは、布陣を作り上げてからの事だった。
『バカな…』
初めて共伯・雷伯の両者の頬に汗が伝う。
この赤大鶴の陣では、最終的に王翦が最後尾に入れば陣は完成する仕組みだ。
その一方で、この布陣形成をただの混戦と考えていた趙軍は大きく後れを取っていた。
軍としての配置は乱されたままでバラバラ。
『この差は大きいぞ』
田里弥がそう考えたすぐ後に
王翦が戦場の中央に降り立ったー。
『!?』
『!?….』
『おっ王翦様!?』
敵味方共にその状況は更なる混乱を生んだ。
『あれってまさか…王翦?…なはずねぇよな、ニセモノか?』
『と、とりあえず討っちまうか?』
『何だ….さすがに罠か何かか?』
『田里弥様、これも何かの戦術ですか!?』
『分からぬ、すぐに助けに出る準備をしておけ!』
『いつでも飛び出せるようにしておけ糸凌』
そのすぐ後に、白い馬も戦場中央に降り立つ。
李牧だ。
李牧の登場に田里弥や倉央も驚きを隠せない。
『カイネ….』
『うるさい!いつでも出れるようにしておけ!』
どうやらこの状況は、王翦軍としても、趙軍としても理解しがたい状況が出来上がっている様だ。
ここにきてこの大戦の総大将同士が相まみえる状況となった。
一時の沈黙を経て、口を開いたのは李牧だった
『初めましてですね王せ…』
『よく出てきたな』
李牧の言葉を遮るように王翦も口を開いた。
『私と話したいのかとおもいまして。』
再度、沈黙が流れる。
一旦、李牧は目を閉じた後に、王翦に降伏するように説く。
李牧『王翦、そちらの兵糧が底をついているのは知っています。これ以上やってもあなた方は討ち死にするか飢え死にするかのどちらかです。降参しなさい。そうすれば兵達の命は保証します。列日を越え、兵站を断ってまで王都圏に侵入した時点であなたの負けは決まっていたのですよ。』
王翦『笑わせるな、業の食料が尽きたことは察している。間もなく、業は落ちる』
その言葉に、趙軍の兵士は驚いたようだった。
このことは末端の兵士には公開されていない情報だったようだ。
李牧『落ちませんよ。業は趙の喉元を守る盾です。業を失えばあなた方の狙い通り趙国は傾きます。….が、趙国160年の歴史の重みにかけてそんなことにはなりません。業は決して軽くありませんよ。王翦』
王翦はその言葉に即座に返す
王翦『下らんな。歴史の重みで国が救われるものではない。上に立つ者共が馬鹿の集団であればそれだけで国は亡ぶ。』
確かにその通りだ。李牧はこれまで対話の際には論理的な話術を仕掛けてきたが、今回の『国の重み』などはあまり発言してこなかった。つまり、李牧らはもう残された手は少ないのかもしれない。
王翦『そして今の趙王らが正にそれよ。我らが王都圏に入った時、王都邯鄲の大群が動けば我らに勝ち目はなかった。だが趙王がそれをせぬと読んで我らは入ってきた。今の趙国の唯一の重しとなっているのは李牧、お前だ。お前が消えさえすれば、間違いなく趙は一瞬で亡ぶ。』
その言葉に、趙の兵も言葉も出ない様子だった。
分かっていたことをあえて言葉にされたような気持だろう。
王翦『虚しくならぬか、李牧。お前たちが命がけで尽くしても、上のせいでそれはどこにも実を結ばぬ。』
李牧『何が言いたいのです。王翦』
王翦『その才覚を虚しくするなと言っておるのだ』
『?』趙の兵は言葉の意図が分からないようだった。
王翦『私と一緒に来い、李牧。お前が私と組み力を貸すなら、二人で全く新しい最強の国を作ることができる』
両国の運命を賭した戦場で、敵総大将を取り込まんとする王翦。その着想は不敵…..
キングダム607話考察
ここではキングダム607話の考察をしていきます!
赤大鶴の陣
今回のキングダムで王翦が新たに展開した布陣として、赤大鶴の陣がありましたね。
王翦はどうやら布陣での戦が得意らしく、この鶴を模した布陣は十八番である様子。
キングダム605話『王翦の読み』にて、倉央が”鶴翼”の布陣での攻撃を予想していました。
ちなみに、鶴翼の陣というのは有名でWikipediaにもその名前が記されています。
敵に対して左右に長く広げた隊形に配置する陣形とのこと。
しかし、防御に徹した陣形のようですね。
布陣は敵との乱戦になる前に整え、どのような場所からの攻撃にも耐えられるように、事前に形成するものですが、今回の王翦は乱戦・混戦の中で無理矢理布陣を形成していきました。
田里弥や倉央は歴戦の経験から咄嗟にその意図を理解できたようですが、さすがにあのような混戦に入ってからでは趙軍は予想だにできないでしょうね。
李牧の取り込み
この李牧の取り込み交渉で王翦はどこまでも王翦なんだなという印象。
以前、王翦が副将として廉頗と戦っていた時、廉頗四天王の姜燕を取り込もうと交渉していたのを思い出させます。
— Rm🍁 (@rm0rms) 2018年3月31日
あの時は姜燕は一笑し、即座に廉頗が登場して王翦軍を退散させました。
(実際は退散ではなく誘い込みだったのですが….)
この時から王翦は一向にスタンスは変えていないのですね。
この業攻めの前にも、なんであんな将軍を総大将に!?なんてシーンがありましたが、王翦が自分の国を作りたいという思いは変わっていない様子。
確かに、李牧と王翦が手を組めば、そこらの国では太刀打ちできないほどの最強の国になる事は間違いないでしょう。
この交渉に李牧が乗るかどうかは別の話ですけどね。
ストーリー的にも、李牧のプライドとしても、この王翦の交渉に応じるとは思えません。
その一方で、趙軍に反撃の時を与えてしまったともいえるでしょう。
この対話の中で赤大鶴の陣に対抗する布陣形成ができているかもしれません。
それほどの時を与えても、王翦は李牧を取り込みたかったということでしょうね。
李牧側としては、相手に余裕を見せつけられて、怒りが見えてきそうです。
おわりに
以上、2019年7月11日の週刊ヤングジャンプ2019年32号のキングダム第607話のネタバレや考察についてまとめてみました。
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