2019年7月4日の週刊ヤングジャンプ2019年31号のキングダム第606話のネタバレや感想、考察について記載していきます。
今回のストーリーでは王翦が李牧の戦術”起こり”を読み解きます。
今回の話ではネタバレを含むので、ネタバレが苦手な方は『戻る』ボタンにてお戻りください。
キングダム606話ネタバレあらすじ
秦国有する唯一無二の”頭脳”が首魁平原の苦境を切り拓くー。
王翦の徒手空拳
横陣展開もせずに自分の軍をそのまま敵軍に前進させる王翦将軍。
歩兵は展開もせずにひたすら目の前の敵へ突き進むのみ。
ザッザッザッと、規則正しい行進音と共に雷伯軍へと突き進む。
『もう敵は目の前だぞ』
『相手は陣組みが完成している!』
『王翦様は一体….』
周囲の兵はざわつき始める。
倉央『どういうことだ….ここから陣組みが間に合うのか….それともまさか本当にこのまま…』
倉央も王翦の徒手空拳の意図は理解できていない様子。
ここで、田里弥は王翦兵の歩兵の足が遅まったことに気づく。
『いや、やはり、何かある』
雷伯軍を見守っていたカイネらも王翦軍の行進が遅くなったことに気づく。
傅抵『へー、面白いな王翦。そこから何が出る。みせてみろってんだ』
しかし、王翦は何もしない。行軍は遅くなるもみるみる前線は接近する。
何もせず、ただひたすらと進み、静かに、そのまま両軍はぶつかった。
李牧は眉を顰めた。。他の将軍はその奇行に驚くことしかできない。
陣展開をしないままの突撃は無謀としか言えない。
李牧軍は乱戦の中で謎の戦術を使用して各所で圧倒してくる。
それは田里弥や倉央らが先の戦いで経験済みだ。それゆえ、まともに戦り合っては、いかに王翦の兵といえど、勝ち目はないだろう。
そう、思われていた。しかし….
戦況は互角だった。
大きく雷伯軍の方に傾くかと思われたが、これまで田里弥や倉央らに仕掛けてきた戦術は発動されず、単純な前戦のぶつかり合いのみ。
雷伯将軍らが何も戦術を発動できないことに田里弥らも混乱している
(なぜだ…なぜ李牧兵は戦術を発動しない!?ここまで複雑な動きを見せ続けていたのに急に単純にたたかう….)
(しかも王翦兵の戦い方は何だ、前がやられたら次が出てくるというだけの….単純どころではない。あんな戦い方では普通の軍にすら敗れる)
だが、なぜか今は互角。
….まさか!?
田里弥や倉央らは気づく。
『何もしていないから互角なのか!?』
今、王翦軍と雷伯軍は互いに突撃させたまま。戦術などはなく、前が敗れたら次の兵が前に出る単純な乱戦。これは王翦軍だけではなく雷伯軍も同じだった。
雷伯『…信じられぬ。このわずかな間で王翦は李牧様の戦術を見抜きよった』
倉央『ひょっとして…そういうことだったのか?』
李牧軍は全て倉央らの動きに対しての『返し』を行っていた。
倉央が50騎出した直後に敵50騎が入っていたのは偶然の事ではない。これも狙って行われたもの。
しかし、倉央はそのタイミングについては納得できていない様子。
『だが、さっきのはあまりに早すぎる。50騎出た空隙をみつけて狙って50騎を送るにはあまりに早い。あれではまるで….』
起こり
『”起こり”….ですか?』
王翦『ああ』
戦場の真ん中で王翦は李牧らが仕掛けたカラクリについて説明する。
『人は、ものをつかむ時、手を動かす。だかほぼ同時だがわずかに先に肩が動く。もっと言うと対になる腰に先に力が発している。それが”起こり”だ。』
部下はあっけを取られたようにその話を聞いている。
『軍にもその”起こり”がある』
『!?え!?』
『武を極めると”起こり”を察知し、相手の動きを読む。読めば敵の技は通じず、さらに返しの技を出せる。』
しかし、李牧兵がそれをやっているとは言っても信じがたいものがあるのは確か。
『軍の戦いでの”起こり”は確かに理屈では分からぬ。だがその”起こり”を感覚的に捉えて戦っている連中は昔からいる』
そう、その連中は敵兵の表情や集団の重心やらからそれを読み取り、戦術へと昇華させる。
『本能型の武将だ』
だが、李牧は間違いなく知略型の将軍。それは敵味方が認めるもの。
しかし、王翦は李牧は一度、本能型の極みともいえる人物と刃を交えているという。
そう、合従軍の時、本能型の極みともいえる武将、麃公将軍だ。
李牧はその一戦から、本能型の戦いの仕組みを研究し、読み解いた。
それを元々知略型だった自らの兵団に叩き込んだ。
このようにして李牧は”知略”と”本能”を合わせ持つ異種混合軍を作り上げた。
もちろん、やろうと思ってできることではない。先の戦いで糸凌が『生半可な鍛え方をされていない』といったのはそのこともあるのだろう。
『認めざるを得ぬな、李牧。私と同じ怪物と。』
本能型の戦術
雷伯は時を見計らっていた。
(軍としての意思がない故”起こり”も何もない。したがって、こちらも同じただ目前の敵と単純な付き合いになり、当然戦果は五分五分に。)
(だが、それならばこちらが戦術を使い赤子の手をひねればよいだけだ。)
『両翼攻め込め!第二第三隊も突撃だ』
雷伯は指示を出した。広げていた翼を使い、王翦軍の両脇から崩しに来た。
陣形としては既に詰みのような布陣。
『展開していた敵が来ます!両翼が動いてきました!こちらは全軍前の敵にしか対応していませぬ!王翦様、左翼へのご指示を!』
(まずい、王翦さまは今あえて何もしない戦い方に,,,,陣形など戦略的には無防備そのものだ。)
様々な報告が飛び交う中で、王戦はその状況を右左と確認していた。
そこで『ほう、なるほどな』とつぶやく。
王翦が相手の戦術に対して納得したのでは無いのは言うまでもない。
咄嗟に指示が出される。
『王翦様より伝令!敵左翼の脇の中間を狙えと!』
『王翦様より伝令!第三隊は敵右翼の突撃に逆らわず内側に押し込まれよと!第一隊が戻って敵の中間を討てと』
『王翦様より伝令!丁波隊は晋項隊と敵を挟撃せよと!』
『王翦様より伝令!尭歩兵団は反転し、入ってくる騎兵の敵を討て!』
(….バカな)
この一瞬の出来事によって、雷伯軍の足が止まり、王翦軍に戦況が傾く結果になった。
『王翦軍が勝っている!!』
李牧『読んで合わせに来たというのか。王翦!』
王翦『意外と…そういう見方をすると分かるものだな。”起こり”とは』
キングダム606話の考察
今回の606話で明らかになった李牧の本能型の戦略。
一つ一つ考察していきます。
李牧の本能型の戦略
まず、今回明らかになった李牧の本能型の戦略。
合従軍の時に確かに麃公将軍と戦いましたよね。その時は”流動”を用いて鎮圧しようとしましたが、麃公将軍の前には無意味。簡単に李牧の元にまで到達しました。
その時は龐煖によって止められ、討たれてしまいますが、その時に本能型の将軍の威力を知ったのは間違いないでしょう。
それによって、知略型・本能型の異種混合の戦略を考えるようになった。
通常の将軍がこんなことができてしまえば誰しもが最強になりますよね。
本能型の攻め方は信や慶舎のように生まれ持っての才能によるものが大きいと感じていましたが、李牧や王翦のような怪物には、感覚的に簡単にマネできてしまうものなのでしょうか…
雷伯は討たれる?
さて、今回王翦と対峙している雷伯将軍。共伯将軍と似すぎな感じもしますので、今回のやられ役の感じがプンプンしますが、この戦いによって討たれてしまうのか。
この流れで言えば、李牧が麻鋼将軍を倒した時のように、奇襲等を行わない限りは普通に倒されそうな気がしますよね。
王翦はまだまだ力の一旦しか出してないように思います。
おそらくは間もなく討たれてしまうのではないかと。
ここで白熱すると思われるのは、田里弥や倉央らの戦い。
現在のところは王翦の力が圧倒的すぎるので、田里弥や倉央がどのように敵と戦うかが気になるところ。
ただ、ここでの戦いはしばらく膠着するようにも思います。
やはり圧倒的すぎる戦い方はスッキリするけどどこか面白くない。
信や蒙恬がどのように中央軍に参戦するかが戦況を左右するカギになるように思います。
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